« ロング・エンゲージメント | トップページ

かいじゅうたちにるところ

Where
2009/アメリカ

大好きな絵本がこんなにクオリティの高い映画になったなんて,嬉しくて嬉しくてずっと見たかった映画です。その期待に背かず,原作をうまくふくらませたな,と思います。もっとも素晴らしいと思ったのは「かいじゅう」に対する新しい解釈です。

原作では「かいじゅう」の存在は主人公の少年のフラストレーションのはけ口のためのファンタジーでしかありませんでした。絵本という表現の限界ともいえます。一方で,映画では「かいじゅう」に新しい存在意義を与えることに成功しています。

「かいじゅう」の存在意義とは何か。少年にとって不満だらけの「現実」を反映させた「仮想現実」です。映画では「かいじゅう」たちにキャラクターを与え,孤独や苦悩を与えることで,このファンタジーをただの現実からの逃げ場にはせず,むしろ現実と同じくうまくいかない場所にしています。ただし,その中で主人公は「王」という指導者的役割を与えられることで,「親」を疑似体験しています。親として現実世界では「子ども」である自分の分身たち「かいじゅう」を見ているのです。あばれんぼうで,わがままで,さみしがりやの「かいじゅう」たちを。

「かいじゅう」というファンタジーを通すことで,少年が自分を客観的に見られるようになるための成長のプロセスを的確に描いていました。

かいじゅうたちの細やかな作りとドハデなアクション,主人公の可愛らしさ,現実とファンタジーのバランス。いろいろとバランスの良い映画だったと思います。

|

« ロング・エンゲージメント | トップページ

」カテゴリの記事

洋画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/33838/37947720

この記事へのトラックバック一覧です: かいじゅうたちにるところ:

« ロング・エンゲージメント | トップページ