かいじゅうたちにるところ

Where
2009/アメリカ

大好きな絵本がこんなにクオリティの高い映画になったなんて,嬉しくて嬉しくてずっと見たかった映画です。その期待に背かず,原作をうまくふくらませたな,と思います。もっとも素晴らしいと思ったのは「かいじゅう」に対する新しい解釈です。

原作では「かいじゅう」の存在は主人公の少年のフラストレーションのはけ口のためのファンタジーでしかありませんでした。絵本という表現の限界ともいえます。一方で,映画では「かいじゅう」に新しい存在意義を与えることに成功しています。

「かいじゅう」の存在意義とは何か。少年にとって不満だらけの「現実」を反映させた「仮想現実」です。映画では「かいじゅう」たちにキャラクターを与え,孤独や苦悩を与えることで,このファンタジーをただの現実からの逃げ場にはせず,むしろ現実と同じくうまくいかない場所にしています。ただし,その中で主人公は「王」という指導者的役割を与えられることで,「親」を疑似体験しています。親として現実世界では「子ども」である自分の分身たち「かいじゅう」を見ているのです。あばれんぼうで,わがままで,さみしがりやの「かいじゅう」たちを。

「かいじゅう」というファンタジーを通すことで,少年が自分を客観的に見られるようになるための成長のプロセスを的確に描いていました。

かいじゅうたちの細やかな作りとドハデなアクション,主人公の可愛らしさ,現実とファンタジーのバランス。いろいろとバランスの良い映画だったと思います。

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クライマーズ・ハイ

Climber
★★★★☆
2008/日本
堤真一
堺雅人

人間ドラマでした。日航機墜落事故を描くというより、事故を舞台にして、当時の地方新聞社の報道姿勢や、人間関係、働くと言うこと、家族、ひいては人生を描いています。

事故現場を見て、記者が感じたことがものすごくストレートに伝わってくる良い脚本でした。

こうやって、映画の中でちゃんと働いている人の姿を見ると、仕事と家庭の両立なんて目指しても、どちらも中途半端になるのかな、と思ってしまいます。何かをやるなら、このくらい打ち込んでこそ、やりがいも生まれるんじゃないでしょうか。その「何か」が仕事であっても家庭であっても、このくらい打ち込めば、やりがいや達成感は後から生まれるんじゃないかと思います

「二兎を追う者は一兎をも得ず」
器用な人なら、二兎だろうと三兎だろうと得てしまうのかもしれませんが、私には無理だと思ってしまいました。映画には関係ありませんが、そんなことを感じました。

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鴨川ホルモー

Kamo
★★★★☆
2009/日本
原作/万城目学
山田孝之
栗山千晶

原作に忠実で、非常に楽しめました。鬼語を操る様子(振り付け有)もコミカルで、実写にすると面白さ倍増です。

だめな大学生の生活のリアリティと、鬼を操るファンタジーが無理なく融合しています。これは、何かに一生懸命になる様子が一般の「部活動」と一緒だからじゃないでしょうか。どんな活動でも、ものすごく一生懸命になっている様子を傍目から見てしまうと、コミカルに見えてしまうことってあると思います。だからこそ、この映画はファンタジーでありながらリアル。

何かに一生懸命になって、友情と恋愛が絡まって…完全に青春映画の王道です。

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キサラギ

Kisaragi
★★★★☆
2007/日本
小栗旬
香川照之

想像以上に面白い。張り巡らされた伏線がうまく生きてどんどんひっくり返っていく展開が最後まで見事でした。

5人全員にしっかりと役割があって、無駄がないのもすごい。

「嘘をつくこと」と「黙っている」ことは、発言の有無としては真逆ですが、相手を欺こうとする意図としては同じ気がします。「聞かれなかったから」というのも同じですね。それぞれの人物が意図的に黙っていることで、複雑に絡まり合った物語ができあがっている気がします。

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クローズZERO

Zero_2

★★★★★
2007
監督/三池崇史
小栗旬
山田孝之

なんだか、いい映画でした。どちらかといえば私の嫌いなタイプの映画です。不良の映画だし、けんかのシーンもたくさんあるんですが、なぜかバイオレンスな雰囲気が暴力的じゃなくて、平気な自分にびっくりしました。あまり痛くなさそう、という訳じゃないんですが、きれいに撮ろうとしているのがわかるからでしょうか。

三池監督の作り出す映画の雰囲気が大好きです。衣装や、背景、ギャグ、人物描写など何もかも含めて完成度が高いなぁと思います。ギャグやCG部分でわざと微妙に世界観をずらしているのも大好きです。

ついでに言うと、高評価の理由は小栗旬。ものすごくかっこよかったです。そり込みの入った髪型、衣装の短ラン、ジャージ、怒った表情、甘える表情、スキのないかっこよさでした。

実は、ストーリー自体はそんなに良くはないかなーとちらっと思ってます。特に黒木メイサが絡んでくるあたりは軟弱な雰囲気になっててイヤな感じです。もっと硬派オンリーでせめてほしかった。あのクダリは映画の雰囲気をダメにしてます。三池監督は男優を使うのはうまいのに、女優を使うのが下手だなぁと思ってしまいました。

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キンキーブーツ

Kinky
2005/イギリス
★★★★☆

登場人物たちの「普通さ」がよいな~と思いました。ドラッグクイーンのローラですら、ドレスを脱ぐと弱さを抱えた普通の人間。そんな弱い人間たちが織りなすドラマだからこその魅力にあふれていました。

個人的に一番すごいと思ったのは、そのローラでした。女性としての美しさ、男性としてのかっこよさ、のどちらでもなく、ドラッグクイーンとしての存在感自体がきれいだな、と思いました。明らかに男性でもない、女性でもない。そういう存在感の持つ迫力を感じました。どうしてこんなにきれいなんだろう、と思うくらいきれいです。

もちろん、田舎にやってきたドラッグクイーンは好奇の目にさらされ、嫌悪の対象として登場します。でも、この映画は、そんなローラが受け入れられる過程を丁寧に描いていました。ドラッグクイーンではなく、ローラという一人の人間として、彼女を好きかどうかを考えていく、そんな流れも良かったです。

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ゲド戦記

Gedo
★★★☆☆
2006
監督/宮崎吾朗
岡田准一
手嶌葵

原作が大好きなので、期待しないで見るよう努めたんですが、なかなか難しいです。まぁ、ゲド戦記3巻を映画にしたというより、ゲド戦記3巻を「新しく創作した」というのに近いのかもしれません。エンターテインメントとしては、よくできているのではないかな、と思います。

原作を見ていないと分からないような描写(人間関係など)があるのは、仕方ないのかもしれません。でも、映画は映画だけで完結できるようなシンプルなものがいいなー、と思いました。

もうひとつ内容に不満があるとすれば、「悪」の存在についてです。今までの宮崎アニメって、絶対的な悪という存在はなかった気がするんですが、今回は「悪」という存在があったのでそこに違和感を覚えました。簡単に二分化できないという「もののけ姫」的な主張はどこに行ってしまったんでしょうか。それでいて、もののけ姫のときのようなお説教テイストを台詞として言わせてしまっているところも気に入りません。例えば、テナーの台詞に「命を大事にしないやつなんて大嫌いだ」というものがありましたが、こんな直球は言わせないで欲しい気がします。

それにしても、歌の力はすごいですね。あの歌のおかげで見たいと思いました。

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クラッシュ

クラッシュ
★★☆☆☆
2005/アメリカ
監督/ポール・ハギス
サンドラ・ブロック
マット・ディロン
ドン・チードル
ブレンダン・フレイザー

いまいち、わからない。「人はぶつかってわかりあう」と言うことらしいんですが、映画の中では、ずーっと人がぶつかり合って憎しみをぶつけ合っていて、緊張感がいやな感じでした。それぞれの人はみんな一生懸命生きているいい人なのに、いがみ合っている。そのそこには人種差別があって、貧富の差があって…。

そうやってぶつかっている、映画の中の人々には共感できませんでしたし、彼らが、互いに分かり合ったとも思えませんでした。

この映画の中のアメリカの社会って、「人を見たら泥棒と思え」の精神で成り立っている感じがしました。ほんとにそうなんでしょうか?これをみる限り、アメリカには住みたくありません。

甘ちゃんかもしれませんが、ぶつからずに分かり合いたいです。人間はぶつからないでも生きていけると思うんですけどね…。

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亀は意外と速く泳ぐ

亀は意外と速く泳ぐ デラックス版
★★☆☆☆
2005
監督/三木聡
上野樹里
蒼井優
岩松了
ふせえり
松重豊
村松利史
緋田康人
要潤

上野樹里の笑い方がシュールでわざとらしくて可愛らしいです。良くこんな映画に出たな~、と誉めたい!映画自体は、超現実な笑いの連続で、あまりまとまったものではなかったけど、ある意味で統一感はあって変な感じです。良くも悪くも期待を裏切られました。

「私が映画に求めた感覚以上のものがあったが、本当に求めたものはなかった」といえると思います。ユーモア感覚についていけなかっただけなので、好きな人は好きだと思います。

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恋の門

恋の門 スペシャル・エディション (初回限定版)
★★☆☆☆
2004
監督/松尾スズキ
松田龍平
酒井若菜
忌野清志郎

松田龍平のしゃべり方は、浅野忠信に似ています。CMに出てくる彼は気持ち悪くて嫌いだったんですが、この映画の中ではやけにかっこよいです。

面白いけど、面白いだけの映画な気がしました。

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