スウィート・ノーベンバー

Sweetnovember
★★★☆☆
2002/アメリカ
キアヌ・リーブス
シャーリーズ・セロン

とてもきれいな映画だったということは確かです。明るさと,優しさと,悲しさと,エゴ,人間の感情をすべて描ききっている気がします。

答えのない人生の課題に対して誤解を恐れずにある種の答えを出している映画です。「立ち向かわないこと」「目をそむけること」がとらえ方によってはもっとも「立ち向かうこと」になる,という矛盾。誰もがそれに納得する必要もないし,私も納得できなかったけれど,こんな答えもあるのかもしれない,と思わされました。

自分の本当の望みを知っていることは大切だけれど,その望みに縛られて身動きのとれなくなってしまった主人公サラがの決断がやり切れません。仕事人間のネルソンを批判し,変えようとするサラと,ずっと逃げ続けてるサラを非難せず,受け入れるネルソン。実は自分の価値観を押し付けているのはサラであるという転換がすばらしい。これからネルソンはどうやって生きていくのでしょうか。

いろいろなことを考えさせられました。

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ジャージの二人

Jaji
★★★★★
2007/日本
堺雅人
水野美紀

カメラワークがとても優しくて、見ていてホッとしました。

遠近感のよく出ている映画だと思います。都会と田舎のギャップ。人と人の心の距離と体の距離のアンバランス。大自然と人間の相対化。全てが融合して、大きな映画になっています。パッケージ写真のように、人間がとても小さいです。引いて撮る映像がとても多い。その分自然が大きい。所々人間がアップになるのも、メリハリがあって良かったと思います。

小物が効いていました。携帯の電波。熊手。トマト。頭文字。ジャージ。熊手が意外と大事。

何もしない、というのが私の今の状態に近いからか、とても素直な気持ちで見ることができた気がします。何かの事件を描くのではなく、人が何かに向かう心をゆっくりと描いた映画でした。

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ジャーマン+雨

German_2
★☆☆☆☆
2007/日本

予告編には「共感を飄々と拒む映画」(by角田光代)とありました。(その後で褒めてましたが。。。)
うまい表現だな、と思います。ひとかけらも共感できませんでした。

現代美術や現代クラシックのような映画だと思います。自分の感情、苦しさや不条理をそのまんま不協和音で表す。たとえどんなに偉い人に評価されていたとしても、悲しみや苦しみを鑑賞に堪えうるものに昇華させずに垂れ流しているものを、私は評価できません。好きじゃありません。不協和音は気持ち悪い。

延々とドッジボールをしている映像など、イライラして、早送りしながら見てしまいました。

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さくらな人たち

Sakura
★☆☆☆☆
2007/日本
監督/小田切譲
河本準一

何がしたいのか全くわからないです。オダギリジョー、俳優としてはすごいし大好きだしかっこいいし。なぜ、監督になるとこうなってしまうのか…。

コメディーなんだと思うんですが、全く笑えませんでした。チープな映像処理はねらってのものなんでしょうか?ただ単にお金がなかったから手を抜いた風にしか見えません。

「ださかっこいい」をねらってダサくなっちゃった感じでしょうか。うーん。。。

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重力ピエロ

Glavity
★★★★★
2009/日本
原作/伊坂幸太郎
加瀬亮
岡田将生

原作の大ファンで、映画を見ることをずっと躊躇していました。がっかりしたくなかったからです。でも、見て良かったと思います。

原作では
「メロスは激怒した」
「春はあけぼの」
「山椒魚は悲しんだ」
などの古典からの引用が多数あるんですが、その辺が映画ではカットされていたのはとても残念です。

伊坂作品には、完全な「悪」、改心する可能性がゼロな「悪」が登場します。私には、そんな存在を描く必要があるのかどうか不思議なんですが、この作品ではその「悪」について深く深く追求している気がします。「悪」は連鎖するのか、その鎖は自分で断ちきれるのか、そもそも「悪」は本当に「悪」なのか。色んな事を考えさせられます。見て、自分で考えなければいけない映画です。

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12人の優しい日本人

122
★★★☆☆
1991/日本
脚本/三谷幸喜

久しぶりに見ました。昔見たときは本当に面白い!と思っていたんですが、今見るとそうでもなくてちょっとがっかりしました。

あとは、キャラクターに癖がありすぎて、気持ち悪かったです。ずっと怒鳴り合って、けんかして、人を馬鹿にして、というシーンが続くので、その辺も疲れます。

小さい笑いがちりばめられているのは三谷幸喜作品らしいんですが、物足りない感じがします。全体を通しての大きな笑いや、伏線が生きてくる爽快感やドライブ感がないのが寂しいところです。

陪審制については、考えさせられる所もありました。
・社会を構成するあらゆる職業、年齢の人間が集められて、議論が成り立つのか。
・実際に「死刑」判決を出した陪審員のその後の精神状態のケア
・と同時に、「死刑」判決を出したくない、良心の呵責を負いたくない、がために甘い判決を出す可能性があるのではないか。

自分が陪審員になったら…ということをやっぱり考えてしまいますね。

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色即ぜねれいしょん

Sikisoku
★★★☆☆
2008/日本
監督/田口トモロヲ
原作/みうらじゅん

普通の男子高校生の、日常生活+ちょっぴりサクセスストーリー。青春って恥ずかしいし、かっこわるいなあ。そして、かっこいいんだなあ。思春期の自意識が邪魔をするけど、こうやって開き直れたら、かっこ悪さがかっこよさに昇華される。そこが面白かった。

この時期に出会う大人は大事ですね。私はどんな大人の中で育ったんだろう。見た後に、気持ちが少し上を向いてくれました。

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さくらん


★★☆☆☆
2007
監督/蜷川実花
土屋アンナ
椎名桔平
夏木マリ
遠藤憲一

あくまで想像を超えない範囲で面白かったです。色彩や世界観は面白いし、衣装や化粧もおもしろい。椎名林檎の歌も合っている。でも、それだけだった気がします。やっぱり映画はストーリーです。ストーリーにひねりがないから、流れるように時間だけが過ぎて後には何も残らない、そんな映画でした。

そもそも、土屋アンナ演じる主人公が浅はかで面白くない。人間が薄い。表情や口調は面白いだけに残念です。もっとストーリーを作り込めばいいのに(原作があるから無理なのかな)。 人物像も全体的に一面的でつまらないです。

個人的には、唯一遠藤憲一がかっこよかった。かっこ良い役ではなかったけど、かっこよかったです。

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シャーロットのおくりもの

Charlotte
★☆☆☆☆
2006/アメリカ

『ベイブ』の焼き直し、しかもレベルが極端に下がっている、といわざるを得ません。私は『ベイブ』は大好きでしたが、この映画は理解できないと言うより嫌いです。子ども向けにしても子どもを馬鹿にしすぎてないか?結局何を訴えたい映画なのかがよくわからなかったし、ストーリーとしても映像としてもたいしたことがない、としか言えません。

そもそも、主人公のぶたを純粋に描きすぎなのは許すとしても、その他の動物の描き方が差別的すぎます。子どもに悪影響を与えるんじゃないでしょうか。

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好きだ、

Sukida
2005
★★★☆☆
宮崎あおい
瑛太
加瀬亮

すごく音のきれいな映画です。とは言っても、BGMがあるわけではなく、鳥のさえずり、川のせせらぎ、車の音、日常のざわめき、そういう普通の映画なら消してしまうような音たちがきれいな映画です。そして、映像のきれいな映画でした。空の風景、川の風景、自然光で撮った優しい映像がいっぱいでした。教室の風景も電気を消して撮ってあったりと、全体的に統一感があります。

話のテンポはすごくゆっくりで、ちょっと眠たくなるような感じです。ただ、それが良いゆっくりさ加減なのが不思議です。主人公2人の気持ちに同調するためにはこのスローテンポが大切なのかもしれません。

前半と後半で2人が完全に成長して役者が入れ替わるんですが、意外と違和感がありませんでした。それでも、高校生の2人の方が見ていて共感できて良かったです。切なくなりました。

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