鈍獣

Donju
★★☆☆☆
2008/日本
原作・脚本/宮藤官九郎
浅野忠信
真木よう子
ユースケ・サンタマリア

浅野忠信が、殺されても殺されても「死なない」。この設定は、『survive style 5』の真逆で面白かったです。でも、「死んでない」のか「生き返る」のかは微妙なところだと思います。この感じだと、「元々生きていない=幽霊」という解釈も成り立つのかも。

浅野忠信がずっと笑顔で、みんなから殺されそうになっていることにも気付かないくらい鈍感なのに、まるで全てをわかっていて悲しんでいる様に見える。この演技だけはすごい、と思いました。

出演者全員の演技臭さや、わざとらしさ、そもそも脚本や台詞の不自然さが宮藤官九郎ものの特徴な気がしますが、私は苦手です。

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チェンジリング

Change
★★★★☆
2008/アメリカ
監督/クリント・イーストウッド
アンジェリーナ・ジョリー

何がすごいって、アンジェリーナ・ジョリーの演技がすごい。押さえた冷静な強さと、爆発するエネルギーと、静かに泣く視線と、粘り強さ。アンジェリーナ・ジョリーをこんなにすごい人なんだ、と初めて思いました。

やはり見せ場は母の強さ。『フライトプラン』のジョディ・フォスターに通じるものがあります。全ての人から「あなたの記憶が違う」と言われても、自分を貫く、という試練はきつい。

一方で、ストーリーにはちょっとがっかりでした。「渦巻く陰謀」みたいな予告だったわりに、スケールが小さい。穴だらけの組織で、力ずく。こんな体制でよく警察が成り立っていたな、という感じです。

しかし、それにしても、これが実話だというのは怖いですね。ロス市警と言えば、『スピード』のキアヌリーブスのイメージですが、こんな汚職だらけのどろどろ時代があったことに驚きました。

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タロットカード殺人事件

タロットカード殺人事件
★★★★☆
2006/イギリス
監督/ウディ・アレン
スカーレット・ヨハンソン

タイトルを見てもポスターを見てもミステリー臭がプンプンしているのに、非常にできのいいコメディでした。死に神とか出てきちゃうあたり、ふざけすぎてる感じがいいです。殺人事件の容疑者に近づいていくのに、その人に恋をしちゃうスカーレット・ヨハンソンの馬鹿そうな演技やウディ・アレンのところかまわず手品をしちゃうダメなおじいさんっぷりが笑えます。2人とも結構癖のある演技なのに、嫌みがないのが不思議でした。

この2人がタッグを組んだ前作、『マッチポイント』は、今作と設定が似ていて、お金持ち貴族と一般庶民の対比がはっきり出ています。それにも関わらず、シリアスからコメディへ、皮肉から哀愁のある笑いへとテイストは180度変わっています。どちらが好き、とは簡単に言い切れないぐらいどちらも見応えのある映画です。

2008年最初に見た映画としては大当たりでした。

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トリスタンとイゾルデ


★★★☆☆
2006/アメリカ

いろんな事できっかけを失って、すれ違っていく2人。嘘をつくことがさらに嘘を呼ぶんだなーと当たり前のことを感じました。

それにしても、若いってこんなに馬鹿なことなんでしょうか。仕事と恋愛、どっちつかずで、自分が決めたことすら守れない、守れない決心なら最初から決心しなければいいのに。守れない約束ならしなければいいのに。そう思ってしまいます。でも、それが恋愛なのかも。バカになるくらいの恋愛がしたいです。

ロマンチックすぎるけど、「愛がなければ人生に意味はない」っていうのは真実だと思います。トリスタンもイゾルデもそんなに美男美女じゃなかったのが良かったです。普通のカップルでした。

イギリス、アイルランドの自然が本当にきれいで、それだけでも観る価値はあります。ストーリーはそんなに面白くありませんが、それなりにロマンチック。そしてセクシー。

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ダメジン

Damejin
★★☆☆☆
2006
監督/三木聡
佐藤隆太

なんか、ダメを突き抜けて、逆にいいんじゃない?って境地に達してしまった感が良く出ていたと思います。ダメ感はすばらしいから、タイトルに偽りなし。ダメはダメでも、一生懸命ダメという感じがダメでいいのかな。でも、やっぱりダメかなぁ。よくわかりません。

いろんな面白(く見せるためのシーンと思われる)要素があるんですが、個人的にはハマる部分とハマらない部分が両極端でした。そして、どちらかといえば、ハマらない部分の方が大きいです。なんとなく中途半端なこの微妙な空気が好きな人には、たまらないかもしれません。私はちょっと苦手でした。

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トランスアメリカ

Trans
★★★★★
2006/アメリカ

ずいぶんと長い間(10ヶ月??)更新していませんでしたが、久しぶりに感想が書きたいな~という映画に出会ったので更新します。

性転換手術直前の主人公が突然現れた17才の息子と旅をする物語、という突拍子もない設定の割には、普通の親子関係が描かれていてとても入り込むことができました。人にはいろんな悩みがあるけれど、特に親子に関する悩みは普遍的なものなのかもしれません。

映画の中で私が共感したのは、

①「自分に対する羞恥心」
自分を恥ずかしく思ってしまったり、自信がなかったりするのってすごくよくわかってしまいます。

②「親子間での見栄」
親子ってお互いにかっこよいところを見せようとして見栄張っちゃいますよね。私は結構そうなので、何となく「わかるなー」って思っちゃいました。

③「受け入れてもらえる嬉しさ」
そんなこんなが入り交じって、ごたごたしつつも、結局自分が受け入れてもらえる喜び、安心感っていいなぁ。としみじみ思います。これって、逆を返せば受け入れてもらえない恐怖があるからこそなのかもしれません。叱られることに安心感を覚える、みたいな矛盾した気持ちなんかもちょっとわかってしまいました。

最後に、全編を通して流れるカントリー調なBGMがとっても良かったです。変な設定の映画なので、嫌悪感ある人もいるかもしれませんが、普遍的なテーマの映画だと思います。

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大統領の理髪師

大統領の理髪師
★★☆☆☆
2004/韓国

大衆は愚鈍である。無知は罪である。いろんな言葉を思い出せます。それでも、庶民は幸せを求めて生き続けるしかないわけです。

自分が政権に踊らされている馬鹿な大衆の一人に過ぎないことに、気付いているようで気付いていない主人公が滑稽で哀れです。見返りがないことを知りながら、媚びてしまう姿は、人間の卑しさの極みな気がします。それでも、憎めない。ただ無知であるだけで、本当に一生懸命生きているだけなのです。罪を憎んで人を憎まず、とはいいますが、無知が生む罪を憎むことは難しいです。

この姿から学ぶとすれば、庶民にとっては騙されないための「知」を身につけることが最大の防御であるということだと思います。反逆するほどの「知」を身につけることは、ある意味危険なのかもしれませんし。

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月とキャベツ

月とキャベツ
★☆☆☆☆
1996
監督/篠原哲雄
山崎まさよし

なんだか、踊りが陳腐で見ていられないという感じでした。山崎まさよしの演技がキムタクっぽくてベタベタしてるし、悪い古臭さを感じました。

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タナカヒロシのすべて

タナカヒロシのすべて デラックス版
★☆☆☆☆
2004
監督/田中誠
鳥肌実
ユンソナ
宮迫博之
高橋克実
市川実和子
小島聖
西田尚美
矢沢心

ずっと気になっていて、やっとレンタルしてきたんですが、あまり面白くありませんでした。

タナカヒロシを一言で表すと「主体性のない男」です。主体性のない男を描いても、その男の周囲を描くしかありません。どうがんばっても面白い映画にはならない気がします。

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トニー滝谷

トニー滝谷 プレミアム・エディション
★★★★★
2005
原作/村上春樹
監督/市川準
イッセー尾形
宮沢りえ

映画を観ているというより、朗読を聴いているような映画でした。原作の雰囲気を壊さずに、更に伸ばしています。ちょっとぶっ飛んだ設定は、村上春樹っぽいんですが、実は人間に普遍的な寂しさや、孤独や、愛しさを扱っていて、じんわりと心にしみてきます。

時の流れに沿って進行するストーリーにあわせ、画面がずっと左から右にゆっくりと動いていくのも綺麗でした。1人の人間が体験する時の流れが良く現れています。主人公、イッセー尾形がものすごくいい味を出してましたし、宮沢りえもぴったりでした。

服を買わずにはいられないというちょっと非現実的な中毒が扱われてるんですが、一緒に見た友人と中毒について考えてしまいました。

私はタバコは吸いませんが、お酒は大好きです。

タバコを吸わない理由は、3つあります。まず、ニオイがだめなこと。2つめは、健康に悪いこと。3つめは、一度吸い始めたら絶対やめられない自身がある事です。自分の弱さを知っていると、気軽に手を出せない、という感じでしょうか。麻薬なんかにも絶対手を出さないと思います。やめられない自分が想像できるからです。

そういう予防策みたいな気持ちって大事ですよね。例えば、私は家にチョコレートがあると、あるだけ食べてしまうので、最初から買わないようにしてます。ゲームも始めるとクリアするまでやめられないので、気軽には始められません。自分をコントロールできなくなる感じって、けっこう恐いですよね。

お酒に関しては中毒になる気がしません。なぜなら、1人では飲まないからです。失恋したりすると、お酒を買ってきて寝酒にしたりするんですが、基本的には家にストックがあっても飲みたいと思うことはほとんどありません。誰かと楽しむお酒しか好きじゃないので、多分、中毒にはならないだろう、と思ってます。

中毒が恐いのは自分をコントロールできなくなること。そんな危険には手を出さないのが私の方針です。

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