やさしくキスをして

Yasashiku
★★★☆☆
2004/イギリス/イタリア/西ドイツ
監督/ケン・ローチ

宗教って、なんだろう。

イスラム教の男性と、キリスト教の女性。信じるものが違う、ということが愛し合う2人を隔てるパワーに圧倒されました。日本にいるとあまり感じることのない信仰のパワーに改めて気付かされた気がします。

特にこの映画では宗教の2つ面を描いていた気がします。個人の心を縛るものと、社会を縛るものです。人の心を縛り付けて、内部から身動き取れなくすると同時に、社会制度に根を張った宗教が外部から圧力を加える。何かを信じることは、それ以外を信じないと言うこと。排他的になること。

信じることが、人を支えることもあれば、人を破滅させることもできる。ならば、私はそんなものいらない、と思うのですが、なぜ宗教はなくならないのでしょう。

私は、自分自身と、自分の愛する人を信じて生きていきたい。他はいらない。

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やわらかい生活

Yawarakai
★★★☆☆
2006
寺島しのぶ
豊川悦司

なんだか、不安な気持ちになりました。人間は、誰でも気持ちの浮き沈みがあります。少なくとも私はそうです。不安だったり、だるかったり、寂しかったり、泣きたかったり、叫びたかったり、何にもしたくなくなったり、いくら食べてもおなかがすいていたり、全然食べたくなくなったり。そんな感情には理由がないことだってあります。そんなとき、すごく不安になります。

どこまでが正常で、どこからが異常なんでしょうか?

都合の悪い感情を全部病気のせいにしてしまえたら楽なのかな、と思ったりします。でも、本当に病気な人はもっとちゃんと苦しいのかもしれません。その辺がよくわからない。他人の苦しさなんて、結局よくわからないということがよくわかりました。そして、苦しさなんてはかることはできない。

やわらかいだけの映画じゃないけど、だからこそ柔らかさの際だつ、やさしい映画です。

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ゆれる

Yureru
公式HP

★★★★☆
2006
監督/西川美和
オダギリジョー
香川照之

オダギリジョーがセクシーだ。ということで、観に行ったんですが、香川照之がかっこよすぎて、完全にオダギリジョーを食っちゃってました。香川照之は、田舎の男。純粋にかっこいい役ではありません。逆に客観的に見れば、弱くてもてなくて、かっこ悪い。それをあそこまでかっこよく演じられるのが凄いです。オダギリジョーは奔放に遊びまわる、都会の男。純粋にかっこいい「はず」の役です。逆にそれをかっこ悪く見せているのは実は凄いのかもしれません。

昔、母に良く聞いたのを思い出しました。
「私と弟どっちが好き?」
「内緒にするから教えて!」

冒険に行く人
冒険に行きたいのに我慢する人

実は、我慢していることが冒険なのかもしれません。

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ユリイカ

ユリイカ(EUREKA)
★★★☆☆
2001
監督・脚本/青山真治
役所広司
宮崎あおい
宮崎将
国生さゆり

とにかく長い!217分だから、3時間37分ですね。気軽に見はじめちゃったので、大変でした。

色味を帯びたモノトーン、という試みをしているということなんですが、色あせた写真みたいな感じの雰囲気は出してました。最後にカラーになるだろうな~と思ってみていたらあたってしまったので、そこは安易だった気がします。

風景を大事にする映画で、誰もいない風景映像が多かった気がします。そのせいで長いのかもしれません。でも、そこも映画の味になっています。

犯罪被害者が追い詰められるというのは、こういうことなのか、と納得しました。価値観の揺らぎというのは、人間にとって最も切実な問題なのかもしれません。自分の中の基準が揺らいでしまうからこそ、「何故人を殺してはいけないか」を切実に考えてしまって、考えてしまうからこそ、気が狂ってしまうのかもしれません。「もし誰かを殺すなら、まず自分の1番大切な人を殺せ」というのは、すごく説得力がある台詞な気がしましたが、その言葉でさえ止められない狂気に至ってしまった人に対してはなんと言えばいいのだろう、とも思ってしまいました。

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